何個か缶ジュースを持って私を見る江口くん。




「…みんなと楽しくボウリングしてたんじゃないの?」




「トイレって言って抜け出して来た」





ほらよって缶ジュースを持ってない手を差し伸べてくる。





ハテナマークを浮かべていると呆れた様子で江口くんが口を開いた。





「半分持ってやる」




「え…?」




「はやく貸せ」




「あ、ちょっと…」




強引に私の腕から半分以上缶ジュースを奪い取った。





何も言わずに江口くんが戻って行く。




その背中に




「…ありがと」




お礼の言葉を投げかけた。