「か、柿原さんも行くって!ね!だから江口くんも行こ?」
「私行かなーー…」
行かないよって言おうとしたら近くにいた女子に睨まれた。
その目からは「空気読めよ」とでも言いたげで
私、巻き込まれた?
「柿原さんも行くよね?」
「あ…っ、うん…」
頷くしかできない私はきっと弱い。
「じゃあ決定ねー、江口くんまたね!」
「うん、またね」
次の授業が始まる為、女子集団は江口くんに別れを告げてそれぞれの席に着いたり自分のクラスに戻ったり。
江口くんは笑顔でひらひらと手を振りながらボソッと私にしか聞こえないぐらいの小さな声で
「馬鹿だろ、お前」
そう言ったんだ。

