カランコロン

ドアを開けるといつものように音が響く。

『キヨ、お疲れ。』
ユウさんがグラスを拭く手を止め
こちらを見る。

『お疲れ様。ユウさん。』

ツバサがアメリカに行って
さらに3年が経った。

私はもう28になっていた。

『そういやinfinity帰国するらしいぞ。』
ユウさんが週刊誌の表紙を
人指し指で叩く。

‘‘海外で大活躍ロックバンド
いよいよ帰国”

大きく書かれた文字と
4人の写真。

『もうあれから3年か。』

月日が流れるのはあっというまだった。