お客様用出口の裏口まで案内する。
後ろからついて来る彼の存在感ったら、すごい。
私の背中側が、熱をもって意識している。

あと少し、若かったらなぁ・・
と、思わずにはいられない。

『うまくいくと、いいですね』

「あ・・はい」

『うまくいっても いかなくても 大丈夫ですよ』

「え?」

――――君なら 必ず誰かに愛されるから

そう言いそうになって、笑顔でごまかした。