朝10時のOPENからさんっざん売りまくり、ようやく20時のCLOSEを迎えたそのとき、彼がやってきたのだ。


お会計を済まし、彼に紙袋を渡したところで
店内に閉店のアナウンスと音楽が鳴り始めた。

「あ・・」

彼はアナウンスに耳を澄ませる。

『気にしないでください。入口は閉まりますけど、裏口から出られます。私がご案内しますので一緒に来てください』

彼は口元を緩ませ、ほんの少し笑顔を見せた。