『で。夏樹君。どうなったの?アレ』

「やっぱり来たか」

『あ、言いにくかったらいいから。
なんか・・ごめんね・・』

「イヤ。告白すらしてないし」

『どういう・・こと?』

「告白する前に、”彼氏ができた”って言われちゃって」

『うっわ。まぢか・・』

俯いて、地面を靴で掘る彼が、なんだか子犬みたいにかわいく見えて。

『よ――――し、よしよし』

と、私は思わず髪の毛をクシャクシャと撫でた。

彼は
私の手を
払いのけなかった