咲希side

今日は、デートの日。
彼氏は高校の時から付き合ってる同学年の晃。
今も、待ち合わせ場所でそわそわ待機中。
髪型は、おかしくないかな?
横にある車に映る自分を見て髪型をいじる。
「ヴィーーン」
窓ガラスが開いた。
え、人乗ってたの!?
「すみません!気づかなくてって、西川先輩じゃないですか!」
車に乗っていたのは、同じサークルの先輩だった。
「あれ、柳?もしかしてデートか!俺もこれからデート。」
「先輩もですか、奇遇ですね。」
「おっと、理沙から電話だ、じゃあな!」
「お互い楽しみましょうね!」

向こう側から、晃が走ってきた。
「おい、咲希ー。」
「あ!晃!」
「ごめん遅れた。」
「大丈夫だよ。で、今日大事な話あるって言ってたけど何?」
「ごめん咲希。俺と別れて?好きな子できたんだ。」
「え?」
「ぶっちゃけ、俺ら上手くいってなかったじゃん?それで、相談してた子好きになっちゃったからさ!」
「………」
「お前も、早くいい人見つけろよ!じゃな!」
こうして、高校1年生から、大学2年生まで付き合っていた彼氏と別れたのでした。
そして、
「あ、先輩に見られた。」
と、気付いたのでした。
「よう、柳。振られたんだな。」
先輩は、覇気のない顔で笑った。
「振られました。」
「奇遇だな、俺も振られた。しかも電話で。」
何か、嫌な日だな。
よし!
「飲みに行きましょう。先輩。」
「お前、まだ20歳になってないだろ?」
「ジュースをヤケ飲みします。」
「……乗れよ。」
「昼から飲んでやりましょう。」
「そうだな。」
こうして、古い恋人とのことを頭から消した。
消したかったから飲みにいった。