優哉くんは私に近づいてくるなり私を抱きしめた。
「っ!?……えっ??
ゆ、優哉、くん……?」
何が起きているのかわからなかった。
……でも、私の冷やされた体と心が溶けていくように暖かくなった。
「っばか!!!
今の歌歌ってたのお前だろ!?
なんでこんな冷えるまで屋上なんかで歌ってんだよ!!
風邪引くだろ!?
こんな、冷たくなって……ばかじゃん……」
な、なんで優哉くんがこんなに怒ってるの……??
私となんの関係もないのに。
私なんか、邪魔なだけなのに。
「しかもお前、HR終わった瞬間に走って出てくし、俺呼んでも無視するし……。
帰ったんだなって思ったら、なんか屋上からお前の声聴こえてくるし……」
「っご、ごめん!!!
わ、わたし声聴こえなくて……。
迷惑かけてごめんね……?」
私がそう言うと優哉くんは私の額に自分の額を合わせた。
「っ……!?!?」
「ばか……迷惑なんかじゃないっての。
お前、怖いんだよ。
ほっとくと、見てないうちに壊れちゃいそうで。
こんなに悲しそうに歌う奴、初めて見たんだよ……」
優哉くん、すごく苦しそう。
……どうして私なんかに構うの?
私が、君にそんな顔をさせてるの??
どうして……?
「舞の歌、聴いてると落ち着いた。
すごいうまくて綺麗で、飲み込まれるみたいだった。
……けど、聞いてると、すごく悲しい気持ちになる。
舞が、壊れちゃうんじゃないかって怖かった」
「優哉くん……」
優哉くんは、優しすぎだよ。
今日会ったばっかりなのに、こんなに優しくしてくれる。
私のためにこんなに苦しそうな顔をする。
君は、不思議な人だね。
