指先の絵空事


「…あー…、うん全くわかんねぇけど」

ぽんっ、と彼の手が頭の上に置かれた。

「桃(モモ)がそうしたいなら別れよう。そんなんで付き合ってても意味ないし。」

「うん…っ」

涙を止めようと目に力を入れながら頷く。

「じゃあまあ、俺達とりあえず友達に戻ろう。」


「わかった…ありがとう。」


扉が開いて彼が教室から出ていく。


それを確認して、私はぎゅっと膝を抱えてうずくまる。


「ひっ…く」


これで良かったんだ…きっと。