「あ・・・ありえない・・・・」

絶望感に浸って肩を落としているとぽん、と肩に手をおかれた。先生だ。振り返って顔を見るとあいつが嫌に不敵な笑みを浮かべて立っていた。(腹立つうううううううう!!!!)
あいつは女子達のざわめきを気にもせずに教卓に上がると白衣をひらめかせて理科の授業を開始した。ていうかもう白衣っていうのも狙ってる感じがして嫌!まじありえんきもい。最初のうちは睨むように黒板をみていたけど眠気がうとうと誘ってきて、あたしは教室の真ん中あたりという席でありながら、ねちゃった。(べつ、理科だしどーでもいいよね)(うん・・いい、・・・よ、ね・・・・)



*



「大丈夫か?」
「っう、うう、おかあさ、んっひっく、ん、」
「泣き止めよ、おれがいるじゃん。ぜってえ、お前の母ちゃんみつけてやるよ」
「ほんとお?」
「ほんと!あと、おれ、おまえにひとめぼれした!」
「ええ?だって、おにいちゃん春華よりおっきいよ?」
「ねんれいとか、かんけいないだろ!おまえ、おれとけっこんな!」
「え・・・うん、わかった。春華おにいちゃんのおよめさんになる」
「お兄ちゃんじゃねーよ!おれのなまえは、・・・・・」




「起きろやアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!!!!!!!!」
「ひいいいいいいいいいいいいいいいいいい!!!!!!なまえー!!!!!」

「あ?名前?」
「(え?・・・ああああ!)えや、なんもない。なんもないです」
「てめー俺の授業で寝るたあいい度胸じゃねーか放課後学習室決定」
「はいごめんな・・・・さ、えええええええっ!?無理!無理です!」
「無理じゃねーよ決定問答無用で決定」

言いかえそうとするあたしの頭のてっぺんの髪の毛をがし、とつかんでヤツはあたしの耳元まで移動すると、ささやくみたいに「覚えてろよ?」といった(ひいいいさぶいぼたった!さぶいぼ!)