「おい、席に着けー。ショート始めるぞ」


 朱莉が登校して来てから直ぐに、担任の片桐 凌(かたぎり しのぐ)先生が教室に入って来た。



「やばっ。しのぐっちが来た。じゃあまた後でね」


 鞄を持って朱莉が慌ただしく席に戻って行った後、沙南も、じゃあ私も戻るねーと戻って行った。









「…あーっ、眠い!」


 午前の授業が終わり、窓際の席で3人でお昼を食べていたら、いきなり朱莉が叫びだした。


 ちょっと、いきなり叫ばないでよー。と言いながら、

「朱莉、あんたギリギリまで寝てたんじゃなかったの」

 と呆れたように沙南が言っていた。


 それに対し朱莉は、だってぇー と言いながら頬を膨らませ

「さっきの授業、すっごく眠くなるんだもん!」

 と訴えかけるように言った。

 お婆ちゃん先生の古典の授業だよ!?訳わかんない文に、あの優しい声音でゆったり口調だよ!?眠くなんないワケないじゃん!!


 続けてそう言う朱莉の話を聞き、私は確かにそうだなーと思って苦笑いしながら話を聞いていた。