高杉さんの後を付いていくと街から離れたところに1つの小屋があった。

「高杉さん…ここは…?」
「今の俺達の拠点だ。下手に漏らすんじゃねーぞ。」
「わ、わかってるってば…。」

相変わらず怖い人…。
そう思い、入ろうとすると中から慌ただしく音がして、中から1人男の人が出てきた。

「高杉!遅かったのぉ!心配したぜよ!…ん?誰じゃ、この女子(おなご)は。」
「拾った。」
「拾ったじゃと!?」
「え、えと…。よろしくお願いします…。」
「おう!ワシは坂本龍馬ぜよ!」
「…え!?」

さ、坂本龍馬!?
あの幕末の中心人物って言われてる!?
しかもキャラ濃いなぁ…。

「ところで、おまんの名前聞いとらんぜよ。」
「あ、えっと…。」

出た!坂本龍馬の土佐弁!
分からないよぉー!

「あー…。…お前の名前、教えてくれるか?」
「…あ、はい!榎本美紅です!」
「そーか、美紅か!よろしくな!」

龍馬さん、わざわざ合わせてくれたのかな?
…土佐弁勉強しよっと…。

「とにかく話は中でやるぞ。美紅のことはその時に詳しく話す。」
「おん!わかったぜよ!」
「龍馬さん、また土佐弁出てますよー?」
「あっはっは!いやー、使い分けが難しくていかんぜよ!」
「もぅ、頑張ってくださいよー?」

龍馬さん、豪快で面白い人だなぁ。
これなら上手くやっていけそう!

…しかし、その後ろから高杉が不機嫌な眼差しで私達を見ていたことは私達にはわからなかった。