「チッ。うるせぇな。いきなり叫ぶんじゃねぇよ。」

また高杉さんが不機嫌な顔になって舌打ちをしている。
でも今はそれどころじゃない!

「江戸時代…しかも幕末に…私が…。」
「…テメェはさっきから聞いてりゃ変なことばっかり喋るな。幕末ってなんだ?」
「あ…えと…。」

ど、どうしよう…。こんなこと喋って歴史が変わりでもしたら大事だよ…!
オロオロしている間にもどんどん高杉さんの機嫌が悪くなっていく。

「おい、隠してることあるならさっさと喋りやがれ。」

高杉さんがとうとう刀を鞘から抜いてまた私の首に構える
…これは完全に脅しだよ…!
でも、言ったら歴史変わりそうだし…。

「おい、さっさとしろ。」
「わ、分かりましたよ…。」

…根負けして全てを話した。
私が未来から来た事も、幕末のことも全て。

「……ほぉ。テメェはその『平成』ってとこから来たのか道理で見たことのねぇ着物だと思った。」
「察しが良くて助かります…。」

…よかった…。殺されるかと思った…。

「…付いてこい。もっと詳しく話を聞かせろ。」
「は、はい…。」

詳しくってどうするんだろ…。
とか思いながら私は高杉について行った。