え、えっと…。どうしよう…。
とにかく周りの状況確認を…。
…ダメだ。周りの人が完全に私のこと怪しんでる…。

「ここはとにかく…逃げる!」

そう叫んで私は路地裏を使って周りの人の目から逃げることにした。

「はぁ…。なんなのいきなり…。ていうか、ここどこ…?そしてここ何時代…?」

そう愚痴をこぼして座り込んだ。

「…おいテメェ。何者だ。ここで何してやがる。」
「っ!?誰!?」

私が振り向くと笠を被っていて顔はよく見えないが、目つきの鋭い腰に刀を下げた男が立っていた。
しかし男は機嫌が悪そうに舌打ちして

「俺の質問に答えろ。死にてぇのか。」

その直後に刀を抜き私の首元に突きつけた。

「わ、わかった…わかったから!…私は榎本美紅、ここで宛もなくさまよってるの。…それで、あなたは?」
「…高杉晋作。」
「…え!?」

高杉晋作って、あの攘夷志士の!?
じゃあまさかここって…。

「…ねぇ、今って何時代なの?」
「…?変なことを聞くな。今は江戸だが…。」
「えぇーーー!?」

え、江戸時代…しかも幕末!?