そして月日はたち、小学校5年生になった。

進級したばかりの事だった。

奏は、今まで私が誰が好きなのか聞いても、絶対に答えてくれなかった。
それに、凛ちゃんとすごく仲が良かったから、凛ちゃんが好きなんだろうと思っていた。
しかし、奏が好きなのは凛ちゃんではなかった。


『優愛、放課後教室で待っていてくれないか?』
最初は、いつもどうり一緒に帰るのだろうと思っていた。
『いいよ〜。何時くらいになる?』
『んー。多分、4時半ぐらいかな。』
『わかった!待っとくね!!』
そう言って、私達はそれぞれのクラスへと戻った。
この時、私はこれから何が起こるかまだ分かっていなかった。


私は、待っている間暇だから宿題をしていた。
でも、今日はいつも以上に疲れたみたいで、宿題をしている途中で寝てしまった。


ガラッ…
誰かが教室のドアを開けた音がした。
その音で目が覚めた私は、誰かなー。と思い見てみると奏だった。


『よっ!委員会、終ったよ。』
『あっ、委員会だったんだ。おつかれ。大変だったでしょ?』
『本当、大変だった。もう、疲れたw』
それは、疲れるなって思った。
『ところで、話って何?』
『ん?あー。』
なぜか、奏は何かを思い出したように、顔がみるみる赤くなっていった。
どうしたのかと思っていたら…、
『俺、優愛のことが好きなんだ。ずっと、小さい頃から優愛が好きだ。本当は、今すぐにでも抱きしめたいくらいなんだ。』
えっ?!今まで私のことが好きだなんて知らなかった。
これは、どうしたらいいの?
『えっ?嘘でしょ?冗談じゃないの?』
『ううん。嘘でも冗談でもない、本当に俺は優愛が好きだ。
だから、優愛。俺と付き合ってくれないか?』
これは夢?
私と奏が両想い?!
やばいっ、嬉しすぎる。
『はい。私もずっと小さい頃のから奏が大好きだったんだよ。』
あー。やばいっ。
これからは、奏が彼氏になるなんて♡
嬉しすぎる♪

ポロポロ…ッポロ
『優愛、嬉しすぎて泣くな。恥ずかしいだろ?しかも、泣き顔可愛すぎ。』
『泣かないように我慢したのに~。
奏、大好きだよ~。』
奏は優しく私の涙を指でとってくれた。
『俺も大好き。』
チュッ
そして、私達は初めてのキスをした。
初めてのキスは、涙でしょっぱかったけれど、とても幸せなキスだった。