先輩の脳幹に、綺麗な穴が開いていた。



まるで糸が切れたマリオネットのように、どさりとその場に崩れ落ちた先輩の瞳には、宇宙のような煌めきはなく、代わりにブラックホールのような暗黒が広がっていた。



『対野苺専用男性存在駆逐銃、格納。type-Norに移行。お疲れ様でした』







「…あれ?」



ふと目を覚ますと、下校時刻を大幅に過ぎ、辺りには黒い黒い闇が広がっていた。



「帰らなきゃ…」



私はそのまま、屋上を後にした。








結局、あの日屋上で何があったのかは、覚えていない。