『対野苺専用男性存在駆逐銃、セット完了。対象…斑鳩段三郎、捕捉完了。あと17秒後に対象への攻撃を開始』



「…は?」



驚く先輩の頬を冷や汗が流れ落ちていく。



どういうことだ、捕捉完了って何なんだ──



先輩の叫びも虚しく時間は刻一刻と、過ぎる。



逃げようとしても先輩の後ろで組まれた細くか弱そうな、でも頑なに動こうとしない私の腕が、それをさせまいと先輩の体を拘束している。



端から見れば仲のいいカップルの様相を呈しているであろうこの状態も、先輩にとっては命の危険性を孕んでいる一大事だった。



『あと10秒』
「待ってくれ」



『あと9秒』
「待ってくれ!!」



『あと8秒』
「お願いだから」



『あと7秒』
「助けてくれよ!!」



『あと6秒』
「なあ!!聞いてるんだろう!?」



『あと4秒』
「なあ!!」



『あと3秒…2秒…』
「助けろよ!!おい!!」



『1秒』








瞬間、一筋の眩しい閃光が走った。