ガチャ
「またか、桃。」
今日もまた汚れた姿で帰ってくる一匹の鴉。
「……うん。 蝦蟆潰れた。」
淡々と答える少女-----------------
桃は、幼い頃起こった出来事によるショックからか、感情というものを失くしてしまった。
感情を取り戻す事は出来るのかわからないが、
少なくとも兄である啓は笑顔を取り戻そうと
必死だったーーーーーーーーーー
「……寝る。」
「着替えてから寝ろよ。 ……おやすみ。」
兄の言葉に反応はせず、
只々聞いているだけだった。
二階へ上がって1番奥の部屋が桃の部屋。
手前には両親の部屋が並んでいる。
その部屋の扉が少しだけ開いているのが見えた
気になり入ってみると、そこにあったのは
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幼かった頃の桃と、笑っている両親の写真
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啓が出したんだろうと思った桃は
部屋に戻ろうとした。
がしかし、不思議な事に気付いた。
「……お兄ちゃんだけいない。」
写真に映っている筈の兄が一緒にいなかった。