……うん。 やっぱり、奏太がいてくれてよかった。 いまごろ、どうなってたか… 「奏太?」 「ん?」 「ありがとっ」 そう言って 奏太の腰に手をまわして抱きつき 頭一つ分高い顔をみあげた。 「ちょ、あい?」 怖かったし 走って息が上がったので 私はかんぺきに涙目 奏太はそんな私をみて ぎゅって抱きかえしてから 「あのさー」 と少し怒った声で話しかけてきた。