新聞広告に、御当地ヒーロー募集って、広告がでてた。
なになに、時給三千円以上、各種免許、能力によって上乗せ、だと!
大学を卒業後、定職にもつかず、ブラプラしていた俺は、飛び付いた。
連絡先に電話すると、明日、面接と、筆記試験があるから来てくださいって言われた。
深く、考えてなかった。御当地キャラの着ぐるみを着て、ショーとかに出るくらいに思ってた。
それが、大間違いのもとだった。
試験会場につくと、筆記試験を受けた。
二桁の足算引算と一桁のかけ算わり算。
なんだか、嫌な予感がした。
面接試験では、面接官に、こんな事を聞かれた。
「お年寄りが、重そうな荷物をもって、いました。どうしますか?」
「持ってあげます」
「バスに乗って、座席に座っていたらら、妊婦さんが乗ってきました。どうしますか?」
「席をゆずります」
「友達が、悪いことをしようとしています。どうしますか?」
「止めます」
すべてに、常識的な答をした。
面接官が、満足そうに頷いていた。
とっても、嫌な予感がした。
結果は後日連絡しますと言われた。
アパートに帰ると、合格通知が届いていた。
おい、今、試験終わって、どこにもよらずに、真っ直ぐ帰ってきたんだぞ!
すごく、嫌な予感がした。
悩んだ。とっても、悩んだ。
親に定職にもつかないで、とか、プー太郎とか言われ、御近所の人達から、怪しい人だと、白い目で見られたり、そんな、生活を続けるのか、職について、立派な社会人として、生活していくのか。
答は出ている積もりだった。
翌日の、任命式で、変な強化服とヘルメットを渡されるまでは・・・