少しでも瑛主くんの心配が和らぐように、私は聞かれてもいないことまで答えた。
『帰ってそのあと亀田さんとお茶した』
それに対して降車駅で返信が届いた。そこからは時間を置かずにメッセージのラリーが。
『亀田? なにがあった』
『好きって言われた。うらやましい?』
『そうだなーうらやましいなー』
『どうでもよさげだね』
『どうでもいいし。冗談は置いといて、真面目な話、なにがあった』
なんでこの人、こんなに食いついてくるんだろう。液晶画面に並ぶメッセージ履歴をしげしげと眺めてしまう。
『そうやってずっと考えていればいいんだわ!』
『逆ギレ意味不明なんですけど』
『ほんとになにもなかったよ。愛も芽生えてない』
『ならいい』
やりとりはそこで途絶えた。『信じてったら! 私にはあなただけなのっ』のメッセージとともにおあつらえ向きのイラストを送ってあげるつもりだったのに、し損ねてしまって残念。


