エースとprincess

 そうして山田さんから聞かされた話にはなるほどと思ったものの、峰岸さんの待ち伏せを正当化するものではなかった。彼女持ちとか妻子持ちの人の浮気話を聞くたびに思う。別れてからにすれば? と。そういう意味では、瑛主くんを叱ったという亀田さんの行動には賛同できた。
 事情を打ち明けたせいか瑛主くんの態度にも変化があり、ここ数日、私は相当素っ気ない態度をとられていたのだと思い知った。書類一枚渡されるだけでも伝わってくる雰囲気がまるで違う。

「谷口主任、なにかいいことあったの? 例の彼女とうまくいってるとか!?」
「そんなんじゃないと思いますよ」

 そのせいか、余所の課の人が瑛主くんを見ながら私に聞いてくる機会も増え、私も適当を装いながらも嘘は言わないよう努めた。