エースとprincess

「主任、最近ネクタイの趣味変わりました?」

「え?」

「今までと路線が違うなって思って」

 瑛主くんとの絡みまでとげとげしくなってしまう。まえなら『似合わない』と一蹴して笑い飛ばせたのに、できなくなっている。冗談ってどうやって言うんだっけ。

「鋭い」

 なのに瑛主くんは目を見開いて、内輪話でもするように小声で言って嬉しそうに笑った。

「さすが姫里。見るとこ見てるね」


 峰岸さんの見立てかもしれない、と思ったらかっと顔に血が集まった。さすがなんて言われたくない。ちっとも嬉しくない。