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いつもの戦いごっこが終わり図書室に行くと、千夏ちゃんの周りに3人の子どもたちが集まって折り紙を折っていた。
その中に美晴ちゃんの姿もあって、千夏ちゃんの隣に座って折り紙を折って雪だるまを作っていた。
「ここはこうやって折るんだよ」と、隣に座っている一年生の絵里奈(えりな)ちゃんに折り方を教えている美晴ちゃんの表情は穏やかで、昨日あんなことがあったなんて信じられなかった。
みんなが折り紙を折っている丸テーブルに近づいてみると、雪だるまやトナカイ、クリスマスツリーといった定番の冬の折り紙がたくさん作られていた。
その中でも目を引いたのは立体のお花を八つつなげて丸く形どった赤と緑のクリスマスリースだった。
「すごい!これ、誰が作ったの!?すごくキレイに折れてるねえ」
「ああ、これね。美晴が作ったんだよね」
千夏ちゃんに頭を撫でられながら折り紙を折り続ける美晴ちゃんの表情を覗き込むと、恥ずかしそうに顔を赤らめながらにこにこ笑っていた。
「そのお花の真ん中に金色のスタッズつけてみようか?もっと素敵になると思うよ」
「ああ。あの工作箱に入ってるのでしょ?私持ってくるよ。彩音先生交代ね」

