ふわふわとした清良君の頭を撫で返すことが出来なかった。

それはきっと、清良君のことを意識してしまったからだ。

7つも年が離れていて、春になったらいなくなってしまう。

それに千夏ちゃんが気になっている相手だというのに……。



考えるのはよそう。

あの時清良君の頭を撫でられなかったのは、清良君に庇われて少し男らしさを感じてしまったからで……そう、それが意外だったからなんだ。



「そうだ。意識っていうよりそう。意外だったんだ」



私は自分を納得させるように、その感情を声に出した。


その時、扉の開く音が聞こえて「さむっ……」と呟く清良君の声が聞こえた。



「おはよう。カーテン開けないの?」



「おはよう。カーテン開けると冷気が入ってきちゃうし、まだ暗いから。あ、雪積もってるよ窓の外見てみたら?」



「え?そうなの!やったあ」