「やだーーーー!!!!!やめろ!!!バカーーーっ!!!」
美晴ちゃんは、体全部を使って私に抵抗した。
美晴ちゃんが履いていた長靴は脱げ、私の体の至る所に泥がついた。
美晴ちゃんの叫び声が聞こえたのか、千夏ちゃんが玄関から飛び出してきた。
「なにこれ!?一体どうなってんの!?」
「いいから、早く手貸して!暴れて大変なの!」
「うん!分かった!」
千夏ちゃんは、美晴ちゃんの足が暴れないように押さえてくれた。
二人がかりで美晴ちゃんを中に入れたと同時に、美晴ちゃんは今までに聞いたことのないような叫び声で、ギャーギャーと泣き始めた。
「泣いてる場合じゃないよ、こんなにドロドロになって……なんで外になんか出てるの!?今日は外遊びだめだよって言ったじゃん!」
千夏ちゃんが息を切らしながら、美晴ちゃんに大きな声で問いただした。
その大きな声に反応してか、美晴ちゃんの泣き声は更に一層大きくなった。

