「彩音先生、できた?」
私の膝をぽんぽんと叩いたのは修斗君だ。
「あ、ごめんごめん。あとセロハンテープでくっつければおしまいだから」
慌てて近くに置いていたセロハンテープ台に手を伸ばし、セロハンテープを3センチくらいの長さに切って丸め終わったチラシの端っこをぺたりと止めた。
修斗君は嬉しそうに固い剣をぶんぶん振り回して満足そうにしていた。
「それ何本も作って、合わせたらもっと太い剣作れるんじゃない?」
「太いの!俺、太いのがいい!」
「じゃあ、職員室からもう少しチラシもらってこようか」
「うん!」
興奮する修斗君の手をとって立ち上がり、私は職員室へと向かった。
その時、ふとホールの窓ガラス越しにグラウンドでちらちらと動く赤い色が目に入った。
修斗君を職員室へ入れて、デスクワークをしていた甲本さんに修斗君のことを頼み、私は玄関へ向かった。

