「普通逆だよね」と心の中で突っ込みを入れた。


ホールで素晴らしいピアノの腕前を披露して以来、ホールの一角のピアノがある場所では、清良君のピアノ教室が開催されるようになった。

柚希ちゃんからスタートして、最後は夕方4年生の子まで、スケジュールはぎゅうぎゅうだ。

それぞれが、学校の音楽のピアニカで練習している曲とか、個人で弾きたい曲の楽譜を持って来て、清良君からレッスンを受ける。


気を利かせた4年生の女の子がわざわざ、『予約表』まで作って、ピアノの横に貼り付けてある。

清良君は、子ども達が来る前にそのスケジュール表をにやにやしながら確認していて、その様子を気づかれないようにこっそり見て、私もにやにやするのがルーティーンみたいになっている。