普段の清良君とは全く別人のような笑顔。

あの時は気になりつつも聞けなかった。



「ねえ、なんでそんな寂しそうに笑ってるの?」



だから私は、思い切って聞いてみたんだ。



「俺、寂しそう?」



「うん、すっごく。まるで別人みたい」



「気のせいじゃない?」



「気のせいじゃないよ、絶対!昔、何かあったの?」



清良君は視線をふいと反らせて、どうしようか悩んだようにちょっぴりだけビールを口に含んだ。


そして、



「……あんまり言いたくない、が、答えじゃダメ?」



と、また寂しげに……困ったように笑った。