【完】ワイルドなトイプードル系男子が可愛すぎます。


私はその声に返事を返すと、慌ててまな板の上に乗っていた四等分に切った豆腐を包丁ですくうようにして、お皿の上にひょいと盛り付けた。



「あれ?千夏ちゃんは?」



清良君は一人だった。

清良君は、羽織っていたジャケットを脱いでハンガーにかけながら「ああ、それなんだけどさ」と言って洗面台で手を洗い始めた。


手を洗い終わって私の隣に立つと、清良君は突然私のおでこの上に手を置いた。

清良君の手は、洗い終わったばかりだったからかひんやりと冷たくて、その冷たさと急におでこに手を置かれた驚きもあったからか、私は「ひゃあっ」と悲鳴のような声を上げてしまった。



「あ、ごめん!」



清良君は、驚いたように手をひっこめると、「……熱は別にないよね?」と私に聞いてきた。



「熱?別に風邪ひいてないよ?」



「だよね。でも、なんか今日元気なさそうに見えたから。それで今日は無理に飲まなくてもいいかなと思って、千夏先生に断りを入れたんだ」



「元気なさそうって……あ、そっか……」