修斗君はきっと自分のせいでこうなったとでも思ったのだろう。
柚希ちゃんのことを何度も振り返りながら、外に出て行った。
柚希ちゃんもどこか寂しげな表情をしながら修斗君を見送った後、隣にしゃがんでいた清良君をじっと見つめた。
「清良先生も外行っちゃう?」
「ううん。俺は柚希ちゃんと中で遊ぼうかな」
修斗君の答えを聞いて、私は「その方がいいんじゃない?柚希ちゃんは中で何して遊びたい?」と柚希ちゃんに聞いた。
さっき清良君が、『二人で遊ぶ』と言った柚希ちゃんの気持ちを、無視するようになっちゃったから、これは当然の言葉だと思ったのだ。
いくらお姫様抱っこで機嫌が良くなったって言っても、もしかしたらふとしたきっかけで、今回の怪我が『清良君に嘘つかれたから』なんて、間違って伝わったら良くないもんね。
「ユズね、ピアノ弾きたいんだ。この前音楽の時間に、先生がおっきいピアノ弾いててね、ユズも弾きたいなって思ったんだ」
「ピアノかあ……俺弾けるよ。一緒に弾いてみようか」
「わあい!やった!」
柚希ちゃんの歓喜の声と同時に、私の口からは「え!?」と驚きの声が上がってしまった。

