あれじゃあまるで、王子とお姫様と従者だな……。
そんなことを思いながら、私は三人の後を追って児童館の中に入った。
児童館に戻ると、清良君が自分のハンカチを濡らして柚希ちゃんの膝の泥の汚れを丁寧に拭いていた。
「柚希ちゃんごめんね」
「ううん、いいの!ユズ、清良先生にお姫様抱っこされて満足だから!」
柚希ちゃんのご機嫌はあっという間に戻っていて、傷口が痛いはずなのに、表情は満面の笑顔だった。
私は職員室から救急箱を持ってくると、綺麗に拭かれた柚希ちゃんの傷口に消毒液をつけて絆創膏をペタリと貼った。
修斗君がその様子をしゃがみながら見ながら、顔をしかめていた。
「どうする?外で遊べる?」
修斗君は、柚希ちゃんをしゃがんだまま見上げながら尋ねた。
「ううん。お膝痛いから中で遊ぶ……」
「そっか……」

