茶色いくるくるしたパーマがかかった髪の毛だったが、ヘルメットを被っていたからだろう。
髪の毛がぺちゃんと潰れていた。
水に濡れたトイプードルみたいな頭だった。
「お願いがあります!今夜一晩泊まらせて下さい!なんでもします!……あ、いや……」
そこまで言って合羽男は顔を上げた。
可愛らしい頭の割りに、ワイルドな無精ひげがなんともアンバランスに見えた。
けれど、肌はつるつるで、たぶん年下なのだろうなと思った。
「手は出しません!安心してください!」
合羽男は、絶対にそれはないというくらい自信満々な表情で力強く頷いた。
そして、「ね?だからいいですよね?」と言って両手をパチンと顔の前に合わせて、お願いポーズをしてみせた。

