「あ!それじゃあ、お外遊びセットを二人で持って行ってよ」
お外遊びセットとは、砂場で遊ぶシャベルやバケツ、ボールなどがセットになった両手で抱えられるくらいのプラスチック容器だ。
私はその容器からバケツを出して、「柚希ちゃんはこれね」と言って渡した。
そして、「清良先生はこっちね」と言って、お外遊びセットを渡した。
柚希ちゃんは、ご機嫌で清良君の横にぴったりくっついた。
「サッカーゴール、一人でも大丈夫ですか?」
「大丈夫大丈夫。サッカーゴールって言ってもほら。こんなにちっちゃな簡易なものだし」
「それじゃあ、俺こっち運びます。ありがとうございます」
清良君は、私にぺこりとお辞儀をした。
サッカーゴールを運んでいると、柚希ちゃんの他にも何人かの子ども達が外に出てきていた。
清良君の周りには他の子ども達も群がっていて、ちょっとした喧嘩になっていた。
「柚希ばっかりずるいぞ!みんなで遊べばいいじゃん!」
修斗君が柚希ちゃんに叫んでいるのを、清良君が間に入って「まあまあ」と言ってなだめていた。

