「え!?」



清良君の発言を聞いてびっくりした千夏ちゃんが、眉間を寄せながら大きな目をさらに見開いて私を見た。



「清良さん、彩音さんに借金しているんですか?」



「いやいや、借金って……別にお金貸してるわけじゃないし」



「じゃあどういうことですか?」



千夏ちゃんは、私と清良君を交互に見ながら困ったような表情をした。

これは、うまく言わないと彩音ちゃんがショックを受けるかもしれないと、どんな言葉がいいか頭を超高速回転させて答えを考えていたのに、「一緒に暮らしているんだ」と、清良君が何も考えずにサラリと答えてしまった。

なんだその答えは!『一緒に暮らしているんだ』って、それじゃあ同棲しているみたいじゃん!

私は慌てて千夏ちゃんの元に駆け寄って、「ちょっと今の言葉はあれだ!誤解を招くから、私が訂正するね」と慌てて清良君の言葉が消えるように力強く訂正した。



「えっとね千夏ちゃん。雪がたくさん降った日があったよね?その時にこのおバカが、お金が無くなったから一晩泊めてくださいって言ってきたの。なんかさ私、雪でびちょびちょに濡れて可哀そうだし、清良君の髪の毛が昔飼ってたトイプードルに似てたこともあっていいよって言っちゃたんだよね」



千夏ちゃんは、じいっと私を見て「人助けしたと。そういうことですよね?」と怒ったように言った。