「でしょ?章ごとに物語が完結しているから読みやすいよね」



「それ!全然飽きなかった。俺いつも長い小説読むと飽きちゃうんだけど、これは次から次に話が変わるから全然飽きなかった。彩音さんのおかげで新しい発見した感じ」



「へへ。なら良かった」



「こうして家でまったり過ごすのもいいものなんだね」



「そうだね。私も体力のある頃はよく外に出歩いてたんだけど、最近年とってからはこうして中でゆっくりしてる方が好きかな」



「年とってって……まだまだ彩音さんは若いじゃん?」



「いやいや。そんなことはないよ。最近子どもと鬼ごっこしててもすぐハーハー言っちゃうし、視力も落ちてきたし」



「へえ。全然感じない。こうして話してても違和感ないし。というか、彩音さんと話すの面白いし」



「面白いって?私そんなに面白いこと言ってなくない!?」



「いや、そういうんじゃなくてさ……うーん、そうだな。面白いっていうのはちょっぴり表現間違えたかも」



「どういう意味?」