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ある程度の掃除を終え、ソファーに腰を下ろし休憩していると清良君が私の隣に座って、構って欲しそうに横目でちらりと私を見ながら「はあ……」とため息をついた。
「どうしたの?」
「やることが……ない!彩音さんは家にいて暇じゃないの?」
「暇じゃないよ。さっきまで掃除してたじゃない」
「そうだけど……これから何するの?何かやることあるの?」
「あるよ、たくさん」
「例えば?」
「まずはお昼作るでしょ?それで片づけするでしょ?そうしたら読んでなかった本を読んで……あ、暇なら本でも読む?」
「読む!」
「じゃあ、私の部屋に来て。本棚から好きなの選べばいいよ」
私はソファーから立ち上がり、清良君を部屋に案内した。

