清良君はぽりぽりと頭を掻いて、「ま、俺も金ないしなあ……」と呟いて、脱衣所に行くと、自分の洗濯物を取り込んで、自分の部屋に持って行った。
コーヒーを半分までゆっくり飲んで立ち上がって窓を開けた。
ちょっぴり冷たい風と、ヒヨドリの耳に響くような高い鳴き声が体に届いた。
「今日は掃除日和だなあ」
気持ちの良さに自然と鼻歌を歌いながら、掃除アイテムがたくさん詰まったバケツを取り出して窓拭きを始める準備をした。
その様子を見ていた清良君が、「何か手伝うことある?」と尋ねてきた。
「特にないよ。せっかくの休みなんだしゆっくりしてて。炊飯器に昨日のご飯が残ってるから、朝ごはん適当に食べちゃっていいよ」
「彩音さんは食べる?」
「私は、仕事ない日の朝はコーヒーだけで十分だから」
「そっか。了解」
清良君はそう言うと、キッチンに向かい調理を始めた。