「そうなんですか。結構多いから覚えるのに時間かかるかも……」
「今日までに覚えなきゃいけないってわけじゃないから。子ども達と関わりながら徐々に覚えていけばいいんじゃないかな?」
「それもそうですけど、自分の名前覚えてもらえてるって嬉しいですよね」
「覚えてもらってて嬉しかった経験でもあるの?」
「ああ、まあ……そうですね」
清良君は笑っていたけれど、なんだか少し寂しそうな……そんな気がした。
私は、清良君の寂しげな表情が気になりつつも、時計を見るともう子どもたちが児童館にやってくる時間が迫ってきていたため、特に言葉を返すこともなく子ども達を迎える準備を始めた。
昨日の雪が降っていたどんよりとした天気とはうってかわって、今日は気持ちが良いくらいの快晴だった。
玄関から出て外に出ると、1年生の子ども達が被っている黄色い帽子が楽しそうに踊っているみたいに児童館に近づいてきた。

