「ありがとうございます」
清良君はその言葉が聞こえたのか、千夏ちゃんの方に顔を向け、照れもせず自然な笑顔でにっこりと微笑んだ。
なんだか余裕のある感じ。
結構言われ慣れてるのかも。
こんな風に裏を考えちゃうのは、やっぱり年をとったってことなのかな……。
清良君には、とりあえず産休の先生のデスクを使ってもらうことになり、私の隣の席になった。
清良君は席につくなり、私のエプロンについていたチューリップの形の赤い名札をじっと見つめて、私の顔に視線をやると、「よろしくお願いします。彩音先生」と、子ども達が私を呼ぶようにして、邪気のない優しい笑顔を向けた。
「こちらこそ。その笑顔で子ども達にもよろしくね。まだ時間あるから、子ども達の顔写真見ながら名前覚えようか?」
私はデスクの中から子ども達の顔写真が入った名簿を取り出して清良君に渡した。
「小さい子ども達が多いみたいですけど、何歳くらいなんですか?」
「放課後児童館は、1年生から4年生の子ども達が利用できるから……大きい子で10歳くらいかな」

