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次の日から清良君は、いつもと変わらずに一緒に出勤し働き始めた。
子どもたちが冬休みの期間中は、児童館は朝から夕方まで大忙しだった。
もちろん清良君のピアノ教室も大忙しで、女の子達でいっぱいになっていた。
「良かったですね、清良先生戻ってきて」
新聞紙の剣を作っている私の隣に千夏ちゃんが並んで座ってきて、なくなったセロハンテープをセロテープ台から取り外して新しいテープを付け替えてくれた。
「いなくなるかと思ってたのに、とんだ大騒ぎしちゃったよ」
「まあまあ。でも3月いっぱいでいなくなっちゃうんでしょ?」
「うん。そう聞いてる。お父さんの側近っていう形で働くみたいだよ」
千夏ちゃんには、清良君がいなくなると思っていろいろ話していた……というよりも、質問されてついつい話しちゃっていた。
「あまり知られたくはないみたいだし、この話は内緒にしておいてね」
「分かってますよ。それにしても、まさか本当の王子様だったなんて」
千夏ちゃんは、「羨ましいな」と言って肩でとんと私を押すと、自分の仕事へと戻っていった。

