「正直今は帰りたくないって思ってる。三年旅したらって約束で親父の後継ぐために戻るって言ったのにずるいとは思うんだけど、彩音さんと離れたくないし」
「……理由はそれだけ?」
「それだけって……十分な理由だと思うけど」
「約束は守らないと」
私は清良君が背もたれにかけたブランケットを羽織り立ち上がった。
本当は近くに居て欲しいとは思うけれど、それじゃあなんだか筋が通らないみたいでモヤモヤした。
自分の損得関係なしに正しいこと推し進めちゃう性格を呪う。
「そうだよね」
ぽつりと呟いた清良君の言葉が、ツキンと胸を刺した。

