店内の奥の飲食スペースの二人掛けの席に座ると、清良君が真正面でにっこり微笑んでいて、さらに照れくささが増した。
「いらっしゃい。彩音ちゃん久しぶり」
カジュアルに着こなした白いシャツに、腰に巻いたミドルエプロン。
ブルーのニット帽に少しだけ赤みがかった肩までの髪の毛。
大き目なフレームの眼鏡をかけて、私たちに水を運んできてくれたのは、ここ「豆san」の店長の七恵(ななえ)さん。
私より一回り先輩なんだけれど、とってもおしゃれで同い年くらいに見える若々しい素敵な女性だ。
七恵さんは、水の入ったグラスをテーブルの上に置きながら、「こちらの方は?」と、私と清良君の顔を交互に見ながら尋ねて来た。
着ていたコートを、下に置いてあるかごの中にたたんで入れながら、「一緒の職場で働いている子です」と答えた。
それと同時に、「大蔵清良といいます」と言いながら、清良君がぺこりと頭を下げた。
「彩音ちゃんが男の子連れてくるなんて初めてね」
「へえ……そうなんですか」
「七恵さん、別にそんなこと言わなくてもいいからっ!」

