素直すぎる清良君に言い返せない自分は、本当に「自分」なのだろうかと思うほどに、今の私は「らしく」ない。
これが年下の男の子の力なのだろうか……。
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清良君の希望通り、私が好きな場所の本屋とインテリアショップを回った後、昼食を取るために立ち寄ったのは、行きつけのコーヒー専門店。
店内には、様々な種類のコーヒー豆とともに、陶器のカップや、コーヒーと一緒に食べると美味しい一口サイズのチョコレートなどが置いてある。
「あれ?このカップ、彩音さんがいつも使っているのと似てるデザインだね」
「よく分かったね。同じ人が作っているカップだよ。ほんわかした色合いがすごく好きなんだ」
「あったかくて落ち着いた感じが彩音さんに似てるよね?」
「私落ち着いてる?」
「うん。すごく。近くにいると安心する」
「……ありがとう……」
照れくさくて小さく呟いた言葉なのに、清良君の耳にはしっかり届いていたようで、「どういたしまして」と言いながら、私の頭をぽんぽんと優しく撫でた。

