「よくそんなこと言えるよね。俺が美晴ちゃんの立場だったら、そんな先生信用できないな」
「ほーんと。別れて正解だった」
「なんで別れたの?付き合って長かったんでしょ?」
「それも千夏ちゃん情報?」
「……ごめん、それも聞いた」
前を歩いていた清良君は振り返って、申し訳なさそうな顔をして私に謝って、また前を向いて歩きだした。
「まあ別にいいよ。終わったことだし。別れたのはね、私が仕事を優先しちゃったから。拓海は仕事は二の次で、私が子ども達のことで色々悩んで家で愚痴を吐くのが嫌だったみたい。私の考えは拓海には理解できないし、それと同じで拓海には私の考えは理解できない」
「なるほどね」
「そこが割り切れたらいいんだけどね、『結婚』を考えたときに、考え方が合わないって致命的だと思って」
「結婚まで考えたんだね」
「あー……うん。この年になるとね、考えるようになるんだよね」
「そうなんだ」
興味のなさそうなトーンの低い清良君の声を聞いて、こんな話をした自分に後悔した。
25歳のまだまだ先がある清良君に、こんな話をしちゃって暗い気分にさせてしまったんじゃないのか。

