「失礼かもしれないですが、江渡館長もその方も美晴ちゃんにとってはおばあちゃんみたいなのかなと。僕も昔おばあちゃんっ子だったので。親が忙しい子にとって、おばあちゃんってあったかくて優しくて甘えちゃいたくなりますもんね」
「そういえば、美晴ちゃんおばあちゃんが入院してるって言ってた」
「じゃあそれで最近安定しないのかな?」
拓海は、納得したように頷きながら手帳にメモを取っていた。
そして、「もしそれが原因だったら、僕がどうこうしなくても大丈夫かな」と言って手帳を閉じ、テーブルに乗っていたコーヒーをぐいっと飲み干した。
「……担任としてお母さんに電話したり、美晴ちゃんとお話ししたりしてあげた方がいいのではないですか?可能性を含めておばあさんのことが原因だとしたら、それを埋めてあげるお母さんのフォローだったり担任の先生の配慮は、美晴ちゃんにとって必要になると思いますが」
拓海は、コーヒーカップをソーサ―の上にことりと置いて、『またか』というような呆れた表情で見つめた後、諦めたようにふっと笑うと「しばらく様子を見ますよ」と言ってソファーから立ち上がった。
『様子を見ます』か……。
私はこの、何も解決しない言葉が大嫌いだった。

