「飾れるのにする!」
美晴ちゃんはそのアイディアがとっても気に入ったようで、折り紙の本を見ながら「おばあちゃんどんなの好きかな?」と、にこにこ笑っていた。
その様子を微笑ましく見守っていると、工作箱を持った千夏ちゃんが図書室に入ってきて「彩音先生、あの……来たよ」と、美晴ちゃんに聞こえないようにそっと教えてくれた。
「そっか。じゃあ、またお願いしていい?」
「オッケー。スタッズはグルーガンでつけちゃえばいい?」
「そうだね。よろしく」
千夏ちゃんと交代して、私は玄関へと向かった。
図書室から出て左側。
体の向きを変えると、真正面にいたのは―――。
細身のグレーのスーツに身を包んだ彼は、相変わらず爽やかなショートレイヤーで自信に満ち溢れたような笑顔でこちらを見て右手を軽くあげて「よう」と唇を動かした。
変わらない姿だったからか、あまり動揺することなく自然に頭を下げることができた。
それと同時に床にふうっと息を吐き、よしと心を決めて顔をあげ、彼こと、佐藤拓海(さとうたくみ)に一歩一歩近づいた。

