はぁ...。
ため息ばかりつく日が続いた。
「どうかしたんですか?先輩。」
「うん。絵のイメージがなかなか浮かばなくて...でも締切の日も近いしで……」
「気分転換にどこかに1人行ってみるとかどうですか?」
「……どこかに...行く...か。」
「はい」
「いいかも!ありがとう佐野くんっ!!」
「いえいえ。」

そうだよね。浮かばないなら頑張って書かずに離れてみる事も大切だよね。
でも、どこ行こう…
私外嫌いだからそんなスポット的なとこ知らないし。近くは公園しかないし。
う〜ん。


〜海島家〜
気分転換に使えるような...
考えていると横からお母さんが話してきた。
「駅から8つ目の駅降りて、坂を下ったら綺麗な海沿いはどう?」
海かぁ...しばらく行ってないけど、今どき海って言ったら……

「佐野くんと行くの?」と私が考えている所にニヤニヤしながら話しかけてきた。
「1人だってば。...もう。」
「だってスポットなんて二人で行くのかと思うじゃない」
「だからそういうの興味無いって。」
そう言って、私は足早に部屋に戻った。

「海かぁ。一応カメラ持っていこ。」