3日連続で色々ありすぎて結局、絵のイメージが固まらず、私は居残りするハメになった。
しかもそれに追い打ちをかけるように、今日私は日直らしい...

「じゃあ今日の日直の...海島。授業後に職員室に日誌届けに来いよ。」
「はい。」
そして朝のSTが終わり、私は少しでも進めたくて、絵のデッサンを考えていた。

「あのさ、海島さん。」
すると、目の前に登坂くんが立ってた。

えっ!なんだろ?……てかっ!!すごく目立ってるんですけど…もう今日とことんついてない。
「なん...ですか?」
「この前、この教室に...」
「えっ?」
まさか、あの絵...!見たのって……んなわけないか。
「部活で使ってた事ってある?」
嘘でしょ。見られてたの...ほんとに最悪だ。……ん?ちょっと待って...それってあの黒板に書かれてた感想みたいなのは、登坂くんが...?

考えれば考えるほど混乱して何も答えられなかった。
「海島さん?大丈夫?」
「あ。えっと、部活で何度か…」
「そっか。ありがとう」
そう言って、登坂くんは席に戻った。

ヤバイ。あの絵を登坂くんに見られてた。絶対に私が書いたなんて言えない。てか、知られたくない。

それから、授業後日誌を早々と書いて職員室に出しに行き、美術室に行った。
「あ。先輩、今日遅めですね。」
「佐野くん、うん。日誌書いてたから遅くなっちゃった。」
「そういえば、絵のイメージはどうなりました?何か浮かびました?」
「うん...一応」
私は海で見た写真を佐野くんに見せた。
「良いですね。」

それから私は部活が終わってからも絵を書いていた。
はぁ...。
ていうか、学校一の人気者に話しかけられるなんて想像してなかった。
この後、マンガみたいに校舎裏に呼び出されて、みんなの登坂くんを...みたいな。
いやぁぁぁっ!

「はぁ。はぁ……」
慌てて目を覚ますと外からは練習中の掛け声とかが聞こえた。
嘘、私寝てた。どこから?
目の前には、色を塗る前の下書きがあった。
下書きしてて眠ってたってこと?

【ガラッ】
え?なに?
そう思って振り返ると登坂くんが立ってた。
「と、登坂くん?」
「ごめん。邪魔だったかな…」
「いや、大丈夫だけど…」
それからは沈黙がしばしば流れた。

「わ、私帰るねっ!」
その場を離れたくて慌てて片付けて教室を出た
「海島さんっ!待って……」
そう言う登坂くんの声を聞きながら私は教室を出て走った。

「はぁはぁはぁ。」
もうわかんない。なんでなんで私に話しかけてくるんだろう…

その日は早く寝た。