今日は部活が休みで1日中暇だ...。
【プルプル……】
「はい。」
「おー。叶多、今どこにいる?」
うわぁぁ……めんどくさいやつから電話きた。

俺の小学校からの友達の本条静[ほんじょう しずか]。明るすぎる性格で面白い時もあれば、うざい時もある。

「...家だけど...」
「おー!!ちょうど家の前に居るんだよ。外遊びに行こうぜ!」
絶対嘘だ。前もこんな事があった。


〜夏休み〜
「あっつー。暇だしアイスでも買いに行くか...」
そしてコンビニでアイスを買い終えて帰ろうとした時...
【プルプル…】
「はい。」
「叶多!!今どこにいる?」
「えっ?駅前のコンビニだけど...」
「マジ?偶然そこのコンビニに行こうと思ってたんだよ。ついでだし一緒に遊ぼうぜ!!」
そう言ってオレの話も聞かずに電話を切った。

...数分後...

「よぉ。叶多!!偶然...はぁはぁ...だな!」
「おまえ走ってきたのか?」
結局後で、話を聞いたら暇で家から急いで来たらしい。

…………

「なぁ〜。遊ぼうぜ!!」
「…わかった...」

そしてアイツが遠くにできたショッピングモールに行こうと言うから電車に乗った。
「…でもなんでこんな休みの日に遠出なんだよ」
「いやー。遠くを見据えてって言うだろ?俺もさたまには遠くを見たくなったんだよ。」

……いや、それ意味違うから。そう1人でツッコミを入れてると、見覚えのある人が電車に乗って来た。

...っ!あれって海島さん??
思わず声に出しそうになったが、しばらく様子を見ていた。
1人かぁ...。バイトとかかな??土曜日の午前中って言ったら…カフェ...とか?

そんな事を考えていると…
「おいっ!叶多??降りんぞ!」
「え?あっ!あー。」
彼女を見ながら降りたが、彼女は気づいてなかった。...どこに行くんだろ。何しに行くんだろ。誰かと待ち合わせしてたりして...。

なんて答えの出ない考え事をしていると…
「なぁー叶多。お前今日なんか変だぞ!?」
「え?んなことねぇって。」
「...んー。そうか?」しばらく俺の顔を見て静はまた前を向いて歩き出した。
「うん」

そうだよな…昨日の電車の中での一件から海島さんの事ばっかり考えてばっかりだ。
まぁ...。よくわかんねぇし、考えんのやめよ。そう自分で思って、その後の買い物を楽しんだ。


〜叶多家〜
「ただいま〜。」
「おかえりなさい。出かけてたの?」
「あー。友達と。」
「そう...」
そう言って晩ごはんを食べて、部屋に入った。

「……」
部屋には沈黙が流れた。それと同時に頭に教室に描かれていた絵が浮かんできた。
「あっ。あの絵…月曜聞いてみよ。」
そう一言呟いて俺は布団に入って寝た。